3回目の入院(15)やっと立ったけど。声が出たけど。なんかへん……
<立てるけど違和感>
看護師「先生が、バルーン(膀胱カテーテル)終わりですって」
私――マジ!? イエッス!!――(声出ないので歓喜の身振り)
看護師「ずっと入れてると、自分で尿意感じることができなくなっちゃうからね」
なるほど。バルーンは1ヶ月以上、入れていました。
看護師「ちゃんとトイレ行きたくなるといいね。行きたくなったらナースコールして」
私――はあい\(^o^)/――
これでやっと、ウン💩も出来る!(あれ以来やはりおむつにはできなかった)
大部屋に移ってしばらくしてから、トイレに行くことが許可されました。
確かに長いこと尿意をもよおすことがなかったので、マジでもよおさなくなってたらどうしようという不安はありましたが、数時間後、ちゃんともよおしました。
1か月ぶりにベッドから降り、立ちました。
看護師さんに車いすを押してもらい、見守りがあるのは仕方ないとしても、ズボンくらい自分で下せると思っていたのですが、実際に立ってみると、手すりにつかまっていないと怖いのです。
というより、立っている感じに違和感がありました。違和感というか、これまで感じたことのないような感覚。
ずっと寝たきりだったので、見るからに筋肉が落ちて、普段は見えない脚の骨まで見えるほどでしたので、よほど筋力が落ちているんだろうと思いました。
ベッドの上にいるとき、横になっているときや座っているときは、普通に動くのです。
あちこちの可動域も正常にあるでしょうし、動かしたいように動く。右足にもやはり温痛覚障害やしびれはありますが、鈍めながらも感覚はあります。
しかし、立つたびに違和感。
そのうち、自分で車いすの移動が許可され、デイルームに足こぎで行ったりするようになったのですが、足こぎも不便なくすいすいこげます。
だけど、立つと違和感。支えなしだとふらつく。
過去の脳出血でもしばらく歩けなくなり、久しぶりに立つとふらついたり、しばらくは歩くのが怖かったです。
でも車いすを使うほどではなかった。
今回は今までより重症の上に1ヶ月も寝たきりだったから、かつてないほど筋力が落ちているのだろうと思っていました。
リハビリを続けて筋力をつけたり歩行練習をすれば治ると思っていたのですが。
自分が上手に立てない原因を、過去の脳出血の後遺症のめまいや目測がうまくできないことに当てはめて「今までより重いんだ」と考えながらも「でも、これまでの感覚と、なんか違うんだよな……」と感じていました。
自分の症状が分かってきたのは、リハビリ病院に移って大分経った頃でした。
「体幹の失調がある」とは、なにかにつけ言われていたことですが、具体的な自分の症状とそれを結びつけることができませんでした。
リハビリで筋力が上がってきても、一向に腰やひざが安定しない。
じわじわと、失調というものはなにかということと、自分はそう簡単には元通りにならないらしいと分かってきました。
<声がへん>
カニューレって、こんなふうに喉から気管に直接穴開けて
人工呼吸器つないだり、嚥下不良の人の痰吸引とかします。
カニューレは声が全く出ませんが、スピーチカニューレというものだと、声が出ます。
スピーチカニューレは呼吸(体内酸素量)や嚥下がいくらか良くならないと使えないのだそうです。
私は急性期退院まで、血中酸素を監視され97以下になったら酸素マスクをされていたのです。
普通の人でも97なんてあります! でも私は、呼吸弱くなって意識不明になった人間なので、そこは厳しかったらしい。
まあ安定はしているし、私が「スピーチに変えろ」と、毎度しつこくうるさかったので(身振りが)、見切り発車で「苦しかったらすぐ戻すよ」と念を押され、前倒しで変えてもらった感じです。
たしかに、通常カニューレより、息苦しくなったのですが、元に戻されたくなかったので、言いませんでした。
変えたばかりは、声帯やその付近を1か月以上動かしていなかったせいか、痰と思われるものがごってり張り付いている感じで、そう簡単に取れるものではなく、1,2日はガラガラごろごろするし、味わったことがないような生体的な?へんな味が上がってきて気持ち悪かったです。
スピーチカニューレに変えても、口の動きで意思を伝える癖が抜けず、「あんこさん、もう声出るんだから」と看護師さんに笑われて「あ!」
「あんぱん!!」
看護師「(笑い転げる)なんで、あんぱん?」
私「第一声は『あんぱん』って決めてたの!」
ハンドルネームの『あんこ』は、ここから来てるのです。
第一声何にしようかなーと何度か考えている中、たぶん最初は「あ」というだろうしというのと、そのころとにかく甘いものやジャンクなものを食べることばかり夢見ていたので、あんぱんにしました。
しかし……
あれ??
舌の周りの悪さはある程度想定していましたが、想像以上に悪かったです。今も悪いくらいですから。
そして、まったく想定していなかったのは、声がかすれているというか、弱いというか、元の声ではないのです。
これはカニューレを付けているせいで空気漏れとかがあるからだろうとずっと思っていました。
しかしカニューレを完全に外した後(リハビリ病院で)も声質は変わらなかったのです。
まだ器官がちゃんとふさがっていないからなのかな、とか思っていたのですが、すっかり傷痕が癒えても、相変わらずです。
リハビリ病院でSTさんに聞いてみたら「軟口蓋が下がってるからだよ。そのせいで空気が鼻から抜けちゃって、そういう声になるの」
始めて軟口蓋のことや、自分に出ている影響の説明を聞きました。
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☆この記事は2010年代初出のものを身バレ防止のため時期をぼかしてリライトしています。
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