3回目の入院(22)選択肢がないカニューレ&経管栄養のリハビリ病院探し
入院して1か月を過ぎた頃、担当医からリハビリ病院を探し始めるように言われました。
リハビリ病院(回復期リハビリテーション病棟)は、発症後、または手術後2ヶ月以内に入院しなければ入れない。
入院していた病院は家から近く夫も来やすかったですし、何度も入院している病院で慣れていました。
なにより当時はまだ、
もう少し頑張れば帰れるくらいになるんじゃない? っていうか、なんかこの後急速に回復したりするんじゃないの?(※根拠なし)
と、漠然っと思っていて、「転院する」行為自体が嫌でした。
「リハビリ病院は毎日リハビリがあって、最長半年いられる」と言われても、半年なんて入院したくないし……。
しかし急性期病院では2か月の区切りがあって、それを超えて入院させることはあまりしないようです(事情はいつか)
リハビリ病院のこともよく分かっていませんでしたし、「恐らく近場で探すのは難しいので、少し遠くなると思う」と言われたのも残念でした。
家から離れた場所では、夫もちょくちょくは来れませんし、そこに何ヶ月もなんて、まるで隔離される気分です。
嫌がっていても仕方がない。そうするしかないのです。今家に帰っても、生活できないのは分かっていましたから。
半年いられるとしても、もっと早く回復して、早く帰ればいいと思うことにしました。
その後、すぐ院内のソーシャルワーカーさんとの面談になりました。
私を見て
「経管栄養やカニューレ使っている時点で、受け入れてくれる病院はあまりないんです……」
と、言われました。
それでも受け入れてくれるのは、特急に数時間乗って行くような温泉地にある病院と、別の県にある2件。どちらも家から1時間以上かかる場所で、馴染みのない土地でした。
温泉のある病院はリハビリにいいような気がしますが、あまりに遠すぎてパスです。
前もってリハビリ病院をスマホで調べたとき、有名人も入院していたという評判の高い病院を見つけました。どうやら高いらしいことは知っていたのですが、相談室で名前を出すと
「あそこはたしかにいいらしいんですが、けた違いに高いんです。1か月50万とか聞いたことがあります。うちからも、過去に2回くらいしか紹介したことはないんですよ」
と言われ、たっかーー!! と思って諦めました。
いろいろ話しているうちに
「でもあんこさんって、しっかりしてますよね。経管やカニューレを受け入れてくれないのは、そういう処置をしているほとんどの人が意識障害があったり、重度に動けない人というのもあるんです。そうなると、リハビリも適切に出来ないでしょ。でも、あんこさんの状態を説明すれば受け入れてくれるところは他にもあるかもしれない」
となって、さらに数件問い合わせてくれることになりました。
結局、さらに数件の問い合わせで、期限までに入院が可能なのは1件しかありませんでした。先に紹介された温泉を除く2件と、計3件です。ここから決めるしかありませんでした。
- A病院は家から1時間半くらい、40年くらい経っている古い建物の総合病院。
- B病院も家から1時間半くらい、40年くらい経っている総合病院。リハビリテーション病棟は最近改築してきれい。
- C病院は家から1時間くらい、新しい病院。リハビリ専門でこじんまりしている。系列病院で他科の診察が出来る。
スマホで検索しても病院のサイトは出ますが、口コミなどはほぼありません。
サイトから様子を想像するのと、夫が見学に行くしかありません。
どれも遠いのですが、A病院は建物が古い点がまず嫌でした。
行ってみないと分からないですが、例えばトイレが古く薄汚れていたりしたら日に何度もストレスですし、部屋も古いままだったら、気持ちが沈むでしょう。以前、友人が入院していた病院はとても古くて、いるだけで病気になりそうな気分がしたので、念のため避けたい。
くだらない話でしょうが、古い病院だと幽霊が出るかも知れない、と思ったのでした。
B病院は築年数は古いのですが、リハビリテーション病棟は近年新設して、病棟もきれいな様子です。
しかし、リハビリ室のフロアの半分は精神科病棟でした。患者さんがどうのと言うのはないのですが、毎日通うリハビリ室が施錠されたドアでそちらと隔てられ、それが目に入ったら、やはり気が滅入りそうです。
<心の声>
あ。
ここまでずっと書いてきて気づいたのですが、私はきっと隔離、拘束、とかそういう自由を制限されることが人一倍苦手なんだと思います。
制限のある入院生活、身体の自由を奪われる安全帯、この後の転院も護送されている気分でしたし……
急性期入院中、円形脱毛ができたのもそのせいだったのかも。
</心の声>
それにこの病院は、ほぼ必ずするはずの面談さえしないで「面談不要、いつでも受け入れる」と前のめり。どこも混んでいるというのに、いつでも受け入れられるとは、よほど人気のない病院かもしれない、と思いました。
C病院はリハビリ専門病院で新しい。こじんまりしているのはいいのですが、気になったのは売店もない、庭もない点です。
退屈な病院生活では、小さなキオスクのような売店でもワクワクします。気軽に雑誌を買ったりおやつを買ったりできないのです。庭もないとなると、恐らく外を歩けるようになるまで、まったく外には出られないでしょう。
悩ましい。
C病院がいいわけではありませんが、AとBはありません。消去法ではCに行くしかありませんでした。
夫がC病院へ、見学と面談に行ってきました。
「施設はまあきれいだけど、ここと同じくらい。でも、すごい狭いぞ。廊下もここみたいに広くない。それなのに、みんな廊下でもリハビリしてる。リハビリ室もここの半分くらいのところで、大勢がごちゃごちゃやってるぞ。部屋も割増なしの大部屋は8人部屋で、人が多すぎて落ち着かない。差額でも4人部屋にしたほうがいい」
と言われました。
夫は狭いのや人が多いのが苦手ですから、特に嫌に感じたのかもしれません。
この病院はおむつ代とテレビ代が高かったです。おむつは使わないからいいとしても、テレビはカード式ではなくて、レンタル1日につき500円です。あまりテレビは見ないので借りないことにしました。
というわけで、転院10日前くらいに、回復期病院への入院期限ぎりぎりの日に転院することが決まりました。
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☆この記事は2010年代初出のものを身バレ防止のため時期をぼかしてリライトしています。
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