3回目の入院(23)まさかの再出血
入院中、手術から1ヶ月ほどで再出血したのです…
リハビリも始まっており、カニューレもスピーチカニューレに昇格し、転院先もほぼ決まりかけていた頃でした。というか転院まで、あと2週間ぐらいのとき。
カニューレは1週間ごとに交換で、その日は変えてもらった日です。
変えてもらった後、気づくと、どうも声がかすれています。
カニューレをしているあいだ、まともな濁りのない声は出たことがないし、カニューレの調子次第で、息苦しさが増したり(カニューレは常に息苦しいです)、声の出方が変わったりしていたので、そういうものだと思っていました。
午後おそく、担当医が回診に来て、その声のかすれを指摘されました。
医「なんか声かすれてるね」
私「うん、今日カニューレ交換してから声が出づらいの(出来れば交換してくれないっかな~)」
医「気になるなあ……」
私「え? でも別にほかは平気だよ」
医「いや。気になるからCT撮ろう――ねえ、あんこさんCT撮りたいんだけど、予約入れてくれる?」
すごい速さでPHSで看護士さんに連絡を取り、ナースステーションに戻ってしまいました。
ええええ!?
前回CT撮ってから、1週間も経っていません。もちろん、そのときは問題なしでした。
声がかすれてるくらいで、大げさな。
でもそういえば、手術直前も声がかすれていて、先生は気にしてたな……。
実際、脳疾患では声がかすれる場合があるので、思い当ったら見過ごさない方がいいです。
そのあと看護師さんが来ました。
看「先生に言われたから、CT予約入れたんだけど、明日の朝だよ。今は大丈夫? 頭痛いとかない?」
私「大丈夫。この間CT撮ったばかりなのに…」
看「念のためでしょ。具合悪くなったら、すぐに言ってね」
特に体調変化も感じず、次の日、朝一番でCTを撮りました。
入院していて良いところはすぐに検査できる、すぐに結果が分かるところですね。1時間も経たずに先生が来ました。担当医ではない先生です。
先「担当医先生は昨日当直で今朝はいないんで代わりです。でね、少し出血してた」
私「うっそ!!」
先「ほんのわずかだから、心配するほどじゃないと思うけど、念のために止血剤出しとくからね」
私「はい……(絶句)」
これまで心が折れるまで落ち込んだことはなかったのに、これにはぽっきり心が折れました。
手術後いろいろ辛すぎて、こんな思いするなら死ねばよかったとかは思いましたが、それは悲しいというより怒りに近い動的な感覚でした。
今回のこれは心が折れる=茫然自失、立ち向かう気力がなくなるというか、停止してしまう感覚でしょうか。
大きな手術もして後遺症もこれまで以上に強く出ていますが、過去の発症後同様、リハビリを頑張っていれば、また元に戻れる、戻れるように頑張る、と思っていたのですが、頑張る覇気が一時的に消失しました。
夫にはなにを言われても「もうやだ。もう頑張れない」と、だからどうするもなく、ただただ落ち込んだ言葉だけ繰り返していました。
なにがいやって、「これまでのキツイ1ヶ月半をまた最初から」になったら、と思うと、それがどうにも耐えられなかったのです。
とはいえ性格的に、他人の前では「哀」の感情を絶対見せない習性が付いているので、看護師さんがやってくると「もー、ほんとやんなっちゃうー(笑)」と条件反射で元気を装ってしまうのです。
そんなことをしている間に、症状がひどく悪化する感じもなかったので、今回の手術前後のようなひどいことにならないだろうと、今までにも何回かあった、生活に支障のない程度の出血だったのだろうと思えてきて、また頑張る気になっていきました。
それにしても、医者でさえ最初は後ろ向きだった手術を、救命のためにやっとやったのに、そのたった1ヶ月後に再出血とは、この調子では今後はどうなるのだろうという不安が残ることになりました。
CT検査の次の日、休み明けでやってきた担当医は「止血剤で出血してる血は止まらないよ。〇〇先生はなんで止血剤出したかなあ?」と言っていたのですが、その後またやってきて「止血剤は今効くものじゃないけど、予防にはなるからって」と、言われました。
「血がドロドロになったりしないの?」とイメージで聞いたのですが、「血を固めるわけじゃないよ。毛細血管を強くするんだ。だから、しばらく続けようね」だそうです。
あの後〇〇先生に理由を聞きに行って、処方した方が良い、ということになったのでしょうが、医師によって処置の考え方って違うものですね。
それ以来、ずっと止血剤を飲んでいます。
強い薬ではないですし、もし出血したらそれを止める効果はないようですが、毛細血管を強くするというのは気に入りました。
最初は1日3回、しかし朝昼晩と飲むのを忘れて、薬が余るので1年後くらいから朝晩2回にしたのですが、それさえ忘れるので、3年めくらいからは1日1回です。
気休めと思いつつ飲んでます。
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☆この記事は2010年代初出のものを身バレ防止のため時期をぼかしてリライトしています。
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