新あんこのログ

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脳出血(脳幹延髄小脳)障害2要介護2

介護保険……歩けないのに要支援2って……区分変更申請しよう

私が初めて介護保険の認定を受けたのは、まだリハビリ病院に入院中でした。

認定調査の日、

 

 ・カニューレ、経管栄養は外れていた

 ・ペースト食、なんとか自分で食べられる

 ・立てるが歩行できない。車いす移動

 ・四肢失調、細かい手作業はできない

 ・入浴、整髪、着替えは、なんとか相当時間をかけて7割くらいできる

 ・トイレ自分でできる

 ・高次脳機能障害、認知の問題なし

 

だいたい、こんな感じだったと思います。判定は「要支援2」。

 

これまで出会った看護師さん、セラピストさん、被保険者さん、他地域でケアマネしている友人、これらすべての人が、

「それで支援2?!」

「介護2くらいあるんじゃない?」

と言われてきました。

  

認定を受けたときには病院での生活で、

 

 ・院内通路は広く、床は平坦ですべすべで、車いすですいすい移動できる

 ・食事はバランスの良い3食据え膳

 ・お風呂やトイレなども、障害があっても使いやすい工夫がされている

 ・出かけない

 ・毎日リハビリ

 ・着脱しやすい部屋着

 

家に戻ってから障害のある生活が、どういう場面で難しくなるのか、ほとんど分かっていませんでした。

それに、まだ会社は休職中の身としては、介護度が高いのは休んでいるのが後ろめたい気がしていました。介護度が高い=復職の見込みが薄い、というイメージがあったからです。 

発症から3ヶ月くらいのその頃は、まだ復職できるつもりでいましたから。

中には「支援2じゃ苦労するよ。変更申請した方がいいよ」と言ってくれる看護師さんやセラピストさんもいましたが、とりあえずはそのままにしていました。

 

家に戻ってすぐ、あらゆる場面で不便不可能を感じました。

でもそれは、症状が回復してくれば不便ではなくなると思っていました。

 

介護保険で受けられるリハビリサービスのことをよく理解していないまま、ケアマネとリハビリ計画を立てました。

病院では「1日以上休んだら回復が後退してしまうので、1泊以上の外泊はNG」と言われていたリハビリは、週に1回40分に減りました。

家から一人で出られず、家の中でもしゃがめない私は一人でろくな運動は出来ず、運動不足になるので、運動のためにデイサービスを入れると、訪問リハは2種類しか頼めないことになりました。

これが要支援2で受けられるリハビリの上限です。上限を超えて受けたいと思ったら自費で、1回40分だと約7000円です。庶民が頻繁に受けるのは現実的ではありません。

併用が出来ない外来リハビリを受けるとしても、通院すること自体が私には出来ません。

現状は介護保険でリハビリを受ける以外、方法はないのです。

 

デイサービスはPTのつもりで入れました。

一般的なデイサービスではなく、最近増えつつある「リハビリ特化型デイサービス」です(といっても、ほぼレクレーションみたいなところもあるので、見学は必要です)

そして訪問リハはOTとSTを頼みました。

私の通っているデイサービスは、資格を持ったPTさんが毎回必ず見てくれるということだったので、それを目当てにしていたのですが、実際はほとんどマッサージです。

回復を目指したアプローチや指導はあまりなく「今日の具合は?」と聞かれ、痛んだところを理学療法的にマッサージしてくれる感じです。高齢でほとんど歩けるような利用者は「PT=マッサージ」だと思っています。

しかも、人による差が激しい。

それぞれのアプローチ法が変わるならいいのですが、アプローチ法が変わるというより、マッサージレベルで上手い下手を感じます。

 

年末ごろより「あれ…? なんか、前より歩けなくなってきた」と感じました。

嚥下が良くない、手がろくに使えないのもほんとに困りますが、このまま今以上に歩けなくなったら、立てなくなったら、昼間一人の私はしゃれになりません。トイレすら自力で行けなくなったら、頭はしっかりしててもおむつです。。

年明けに訪問でもPTをすることになりました。

週に40分では全然足りませんが、ないよりはましです。

しかし、その分、何かをやめなければなりません。

嚥下の低下は下手をすると命にかかわりますから、まだSTをやめるわけにはいきません。

気持ち的には手が使えるようになるのが一番の願望なのですが、手作業の自主トレは、自力でも危険は少ない中でできます。

こうしてOTをやめてPTを入れることに決めました。

 

しかし今度は、手の動きにも低下を感じ始めました。

自主トレはやはり集中力が途切れがちで、やっつけになってしまうことが多いです。

一度自費でOTさんに来てもらったところ「たしかに前より低下してますね」と言われました。

自分でやっている自主トレを見せてほしいと言われ、普段やっていることを見てもらったら、へんな癖をつけて操作しており、集中すべきところ、意識すべきところが違うことを指摘されました。

 

やはり、資格を持った専門家(にも当然いろいろいますが)は、それだけの知識や経験があります。

自主トレでは気付かないことを指摘してくれます。

逆に考えれば、素人がいくらネットを使って調べたり、過去に教わったトレーニングを自分一人で実施しても、あまり効果がないどころか、私の場合、機能が低下していたのです。

 

専門家についたリハビリを増やすためには、介護度を上げるしかありません。

介護をされたい、手伝ってもらいたいのではなく、リハビリを増やして改善して、むしろ介護保険が不要になりたいのです。

幸い(?)なことに、私は前述のように「認定が合っていない」と言われてきています。

もちろん、彼らには認定する資格はありませんが、自分が知っている事例と相対的に見て、私の認定が合っていないと思ったのです。

認定を上げられる可能性はあると考えました。

 

しかし、いざ担当ケアマネさんに伝えると「介護度上げるのは難しいのでは……?」と言っていました。

この方は私が座っているところしか見たことがありません。

生活で困っていることも、具体的には言っていませんでした。

こんなことに困っている、こういう状況だ、ということを話すと、「分かりました。それならきっと変わる気がします」となり、区分変更の手続きをしてもらうことになりました。

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ちなみに、

要支援2は「介護予防」です。

「介護予防」です。←大事なことなので2回言いました。

 

介護保険制度の分かりやすい概要は、以下「公益財団法人 生命保険文化センター」のサイトへ。

公的介護保険で受けられるサービスの内容は?

 

 先日、認定調査が行われました。その時の様子はまた別に記事を書きます。

一筋縄にはいきません。

現実と制度にはギャップがあります。無理があります。

 

 40歳未満の人には、どんなに脳卒中の後遺症が重くても介護保険が適用されないので、そういう方から見れば「受けられるだけいいじゃん」と思うかもしれません。

40歳以上でも第二号被保険者の人は「受けさせてもらっている」と、控えめに感じている人もいるかも知れません。

この40歳以上とか、第二号被保険者について、私はかなり理不尽に感じておりますが、「そもそも論」になるので、書く気になったら別の記事で書きます。

 

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☆この記事は2010年代初出のものを身バレ防止のため時期をぼかしてリライトしています。

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