「利き手交換」と言わないで
急性期病院、回復期病院(リハビリテーション病棟)、訪問リハ、デイサービスと、これまで複数のOTさんに診てもらいました。
私の手(指、腕)の失調は両方にありますが、左のほうが強いです。
「でも左利きなんですよねえ」と私が言うと、
「利き手交換という方法がありまして――」
と、勧めるOTさんが何人かいました。そのたびに心の中で溜息をつきました。
資格自体が新しいものなので、セラピストさんは若い方が多いです。若いからダメということではないのですが、この「利き手交換」を勧められると「片麻痺のリハビリに当てはめようとしてる」という思いと「若い世代は、昔の左利き事情を知らないんだ」と思います。
片麻痺は、麻痺側はほとんど動かすことが出来なかったとしても、逆側は感覚も動作も正常にできるようです。将来的には、より麻痺を改善できるとしても、当面は、利き手交換することに意味があるでしょう。
しかし、私の失調の症状は、片麻痺とは違います。
左右ともほぼ健常な可動域があり、感覚もあり、大きな動きはほぼ正常に動作します。しかし、精密な動き、微妙な感覚や力加減は、どちら側もすべて正常ではないのです。
つまり『健側』はないのです。
「左より右のほうが失調症状が弱いなら『利き手交換』を」
と、思うようですが、私は右も正常には機能していないのです。
利き手ではない動きの悪さ以前に、機能が正常ではないのです。それを利き手にするのですか?
それに、昔の左利きの人は、たいてい、右もある程度使えるんです。(そうではない人もいると思いますが)
「今どきは左利き用のものも売ってるし、左利きを直されることも減ったみたいだけど、私が子供のころはね、左利き用のものなんてなかったし、小さいうちに右利きに矯正されるのが一般的だったの。私も小学校低学年までは矯正されてたよ。直らないうちに、親も諦めちゃったけどね。だからね、改めて『利き手交換』しなくても、昔の人は必要となれば右もある程度使えるの。今だってすでに、左でできないことは右手でしてるよ」
利き手交換を常套句のように言うセラピストさんに限って、そう言うと、一瞬戸惑ったようになってしまいます。私が少しイラッとしているのを感じるのもあるでしょうし、恐らく、ほかの手段をぱっと思いつかないのかもしれません。
ほかの失調症状の人はどうなんだろう?
私のようにがっかりしたりせず、利き手交換に素直に従うものなのでしょうか?
ちなみに箸なども、上手に使えない人用のがあり、まずはそれを勧められるのですが、
有名な『箸ぞうくん』。こんなの↓
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これは、いわゆる箸の正しい操作ではないんですよ。つまむって感じ。
「箸の持ち方まで気にしない。楽に使える方がいい」という方には、これが向いていると思います。
しかし私は、子供のときに、泣き泣き親に正しい箸の使い方を仕込まれたので、きちんと箸を使いたくて、リハビリ病院にあったこの箸の訓練は拒絶しました。
納得いかないリハビリは、私はほぼ拒絶します。なんというか対処的なリハビリっていやなんですよ。
100%元通りにできないとしても、可能なら50%でも元通りに動き作業したいです。
そんな私が現在使っているのは、こちら↓
左利き用ももちろんあります |
俗に言う『エジソン箸』です。子どもに、正しい箸の持ち方や操作方法覚えさせるためのものですね。
探したら大人用もあったのでこれを使っています。
私は失調があるので、どちらを使おうと、100%上手には使えません。
どちらも上手に使えないなら、正しい使い方できるこちらがいいと思って、これを使っています。
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☆この記事は2010年代初出のものを身バレ防止のため時期をぼかしてリライトしています。
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