新あんこのログ

新あんこのログ

脳出血(脳幹延髄小脳)障害2要介護2

回復期病院⑪~階段の上り下り、外を歩く訓練(PTリハビリ)

入院して1ヶ月ほどから、リハビリ室(1つ上の階)へ階段で行き来するようになりました。階段の練習です。

階段では、ロフストランド杖は使いません。長いし、逆に引っかかったりして危ないのです。私はいくらか利きのいい右手で手すりを持って昇降の練習をしていました。

のぼりは力一杯踏みしめて、手すりにつかまった手の力も借りて、上がって行くことが出来るのですが、下りは怖かった。それでも当時は、PTさんがそばに付き添ってくれていますし、数階分上り下りしたりはなんとかしていました。

 

1ヶ月半ほど経った頃、ようやく外歩きの練習も始まりました。

といっても、せいぜい300~400メートルくらいのコースだったと思います。

片麻痺の人だと、また感じ方が違うのかもしれませんが、私の場合、バランスがとりづらい後遺症や足裏がしびれがあります。

健常だったら気付かないようなほんの少しの傾斜でも怖いし、1,2センチの段差でもいちいち難所です。

一見、私はすべてきちんと動いているように見えるので、片麻痺の方からは「どこも悪いように見えない。きれいに歩けていいね」とか言われるのですが、足首関節が定まらなくて、思ったところに足が付かない、膝を少し曲げたとき(まさに歩く程度の曲げ)膝が激しく揺れる、しかも右と左では揺れる角度が違う、結局揺れないように膝をロックして歩く。

体幹もぐらぐらなので、脚を振り出すときに体幹まで一緒に前に出てしまい、腰を引っ張られている感じ(要は、腰が脚の振り出しについて行ってしまって抑えられていない)、地面の捉え方はかかと側で、指先で地面をしっかり捉えられていないから、気を抜くと後ろ側に倒れそうになる、それを回避するために前のめりで前重心にして歩く、など、本人的には、ほんとに一歩一歩、毎回転びそうと思いながら歩いています。

 

また、何をするのでもそうですが、失調は始めが苦手で、歩き出しが下手、モノを掴むときも始めは失敗して、だんだん落ち着くような感じです。

動かないのではなく、使うべき筋肉それぞれに、正しい強度や連携などの信号を送る機能がちゃんと働いていないからなのですが、しばらく続けると一時的に覚えて、だんだん歩き方が安定してくるし、手の操作がうまくなるような感じなので、外歩きも、最初が一番危なっかしくて途中から大分安定してきます。

そして、疲れてくると、また下手になります。

しかし安定して歩けているときは、普段より体が楽だな、と思うので、正常に近い筋肉の使い方が出来ているのだと思います。

 

この慣れは一時的なもので、数十分単位で元に戻ってしまいます。

それでも毎日少しでも反復のようにやっていれば、少しずつ記憶に残るようになると思うのですが。

 

今、当時より歩けません。家には階段がなく、一切使わないので、上り下りをする自信がありません。

病院ではPTさんに付き添ってもらって毎日できましたが、今は出来ません。

デイサービスでは平行棒は使って歩行練習しますが、距離は歩けません。

1,2段の段差練習をしても、1,2段以上はありません。

 

訪問リハでPTさんに週一来てもらっても、バイタルチェックやストレッチをしてからまずは室内を歩く練習などをしている間に、あっという間に時間は過ぎてしまいます。

 

残るは夫の介助なのですが、毎晩疲れて帰ってきて、家事も全部やって、私の世話まで見て疲れ切っている人に、「外歩きの練習付き合って」とは言えません。

土日も、たまった洗濯や掃除をして気付けば疲れて昼寝している夫を起こして「外歩き」とお願いできません。

夫も周囲の人もきっと「遠慮するな」というでしょう。でも、実際は遠慮しちゃいますよ。

 

私がもっと回復すれば、夫の労力が減るとは分かっていても、今疲れた顔をしている人を前にしたら言えないものです。

 

というか、もちろん反復練習や筋トレも重要なことですが、私の場合、体幹の不安定さがすべてに影響しています。

ここにしっかりアプロ―チしなければ、たとえ毎日外歩きの練習をしても、しばらくやらなかったらまた後退するでしょう。

  

はっきり言ってしまえば、私が入ったリハビリ病院は入院中だけ、徐々に回復して退院したら元に戻るようなことしかしてくれない病院だったと思います。

私の入っていた病院ではなくても、杖で退院して行った人が、数か月で車いすに戻ってしまったという話をよく聞きます。

 

リハビリのアプロ―チ法はいろいろあって、どれが万能というものはないと思いますが、私のような失調の症例は、ボバースアプローチが向いているのではないかな、と独学で思っています。

残念なことに関東ではあまりボバースは進んでいなくて、出来ない療法士さんが多いようです。

 

私と同じような体幹、失調協調運動障害、(脳幹、小脳系)の方は、もし今のリハビリに効果を実感していなかったら、ボバースを調べてみたらいかがでしょうか。

特に大阪や山梨のほうでは実践している施設や療法士さんは多めのようです。

 

 

 お尻上げ(大殿筋?)トレーニングは初期からずっとPT訓練時盛り込まれます。おしりの筋肉が上手に使えないのも歩くのが上手くできない一因らしいです。

f:id:anko_no_log:20200727150449p:plain



 

 

*****

☆この記事は2010年代初出のものを身バレ防止のため時期をぼかしてリライトしています。

以下、2つ、それぞれクリックしていただけると、ブログサーチでランキングが上がり、結果的に、検索エンジンGoogleYahoo!)の表示順位が上がります。 この病気の当事者の発信する情報が少ないので検索でなかなか見つかりません。

ご賛同いただけるようなら、お手数ですがクリックしてください。

にほんブログ村 病気ブログ 脳・神経・脊髄の病気へ