新あんこのログ

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脳出血(脳幹延髄小脳)障害2要介護2

3回目の入院(19)急性期のリハビリ@ベッド

手術後、たしか1週間経過したころから、リハビリが始まりました。

まだ呼吸器等していましたから、ベッドから降りられないんですけどね。まず拘縮・痙縮予防なのでしょう。

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■  余談ですが

あるPTさんの施術を受けているとき「私の脚、むくんでて重いでしょ。ごめんね」と言ったら、「これくらいは重いうちに入りません」と言いました。

そういえばリハビリ病院の担当療法士さんは身長150センチない細い子でしたが、大きな男の人をベッドから車いすに移乗させていて感心したことがあります。

「すごいね。腰痛めそうだね」と言ったら、「意識のある人は動けなくても、移乗する意識があるから全体重をかけてこないので、意外と平気なんです」と言っていました。

そのことを先のPTさんに言ったら「その通りなんですよ。急性期にいたころ、ずっと意識が戻らない人を、でもそのまま寝かしておくと拘縮しちゃったり、いろいろ別が悪くなるから、ベッドでの拘縮予防ストレッチもあるんですが、状況次第で、ほぼ意識ない人(寝ている人)を抱えて立たせたり歩かせることもあったんです。意識ないと全体重預けてきますから、あれが一番体力的にはきつい」と言っていました。

そこまでやってくれる病院もあるんだな、と思いましたが、そこまでではなくとも、とにかく痙縮拘縮予防ストレッチは、わりとどこでもやっている感じですね。

もしやってくれないなら、尋ねてやってもらった方がいいです。

 

急性期病院のリハビリは土日祭日は休みで、ほかにも担当療法士さんの休暇や講習会などに重なると、代行実施はほとんどありませんでした。

3連休だったり大型連休が重なると休みばかりです。

土日を挟んだだけでも、回復状態が後退していることがありましたが、療法士さんにも「月曜日は調子悪くなる人は多いから」と、なんともいえない慰められ方をしました。

 

手術前の話に少し戻りますが、リハビリは頼んでもいないのに、入院してすぐに始まりました。

あえて「頼んでもいないのに」と書くのは、前の2回の入院は、再三催促してもなかなか始まらなかったからです。

理由は、療法士さんがそれぞれ担当いっぱいで忙しく、なかなかスケジュールを取れないから、ということでした。

私がいた急性期病院は比較的大きな病院で、リハビリ室も広く、療法士さんもたくさんいます。しかし、入院患者も莫大な数がいます。

療法士さんが足りないというのは事実だったでしょうが、その以前に、本格的なリハビリをじっくりやるというよりは、急性期に必要な(拘縮予防などの)リハビリをするべき人が多いのかもしれません。

前の2回の私は、今思えば軽症で、良好に改善してきたくらいの良い状態の診断だったのでしょうし、寝たきりで拘縮すら懸念される患者が多い急性期病院では、後回しにされるのも当然と言えば当然です。

今回の私は、寝たきりが続くことが予想されたのか、入院して3日後くらいにはリハビリが開始されました。どれもベッドに療法士さんが来てくれて、ベッドの上で行いました。

今思えば、拘縮予防ですね。

 

*****

 

以下は、手術後、リハビリ再開してからの様子です。

<PT>

PTは、まさに拘縮など寝たきりで懸念される状態を防止するためのマッサージやストレッチがほとんどでした。

股関節を動かすように、療法士さんが脚を持って「イッチニーサンシー……」と数えながら曲げ伸ばしとか。これとこれの運動を20回ずつ、とか決まっているようで、毎回同じで、20分くらいだったと思います。

ほとんど寝ていましたから、横になったまま、他力で各所を動かしてもらうのは楽で気持ち良かったです。

私のリハビリのイメージというのは機能訓練でしたので、そこには届いていないという物足りなさを感じながらも、今はベッドから出ることが許されていない状況だから、結果的にこうしてもらうのが、あらゆる意味で最善の方法なんだろうな、と思いました。

 

最初はやはり、寝たまま脚のマッサージだけでしたが、ドレーンも人工呼吸器も外されると、ベッドの柵を取って、腰かける(座位を保つ)練習をしたりしました。

 

<OT>

OTも最初は寝たままで、腕のマッサージを中心にしました。

手術後、頭に入っていたドレーンが外れると、人工呼吸器をしたまま、ベッドを起こして座位の訓練をしました。数週間起き上がることが出来なかったので、座ること=背筋、背中に力を入れるのもけっこうたいへんでした。

しかし、なにより思いもよらなかったのは、首が座らなくなっていたことです。

これは寝たきりが続いたせいもあると思いますが、手術で首の後ろを切ったのが原因みたいです。頭が重くて、自然にうつむいてしまいます。そのたびにOTさんから「前を向いて」と言われ、首を起こしていました。

 

OTでは、手の揺れにアプローチする訓練もしました。寝たまま、腕をまっすぐ上げたり、手首だけをゆっくり上げたり。これらを、揺れないことを意識して、ゆっくりやりました。これはリハビリ時間以外も寝たまま出来るので、やり過ぎない程度に自分でもやっていました。

 

 

<ST>

ST~手術前

STの担当さんは、3度の入院でいつも担当になってくださった方です。顔を見ると「やだー。やっぱりそうだったんだ。名前見て、あれ? と思ったんだよね」と、苦笑していました。

 

STのリハビリは最初に、シリンジから1CCの水を含んで飲み込めなかったので、しばらくは嚥下の訓練はせず、失調で動きの悪くなっている顔の左側のマッサージや、舌を手でつかみ、物理的に引っぱり出す運動をしました。「これ、痛いだろうけど大切なんだよ。我慢してね」と言われました。舌の運動が鈍化すると、舌が喉側に退いてしまい、呼吸や嚥下に支障があるようです。

 

一時まったく嚥下できなかったのが、手術の直前、ほんの少し動くようになっていました。

それで、どの程度機能しているか見るためにVF検査の予約を入れていたのですが、その時の担当看護師さんが忙しくて遅れてきて、急いで連れて行かなければいけない、ということで、車いすに移乗せずベッドのまま押されて検査室へ行きました。

検査室にはSTさんが待っていたのですが、遅れたうえにベッドに寝たまま来たので、

 

S「え? 具合悪かったの?」

看「いえ、そういうわけじゃないんですけど遅れちゃって時間がなかったので」

S「でもベッドに寝たまま検査は出来ないよ」

看「そうなんですか?……じゃあ、戻って車いすに乗り換えて……でも、もう時間ないですよね?」

S「うん、先生は〇〇病院から来てる方だけど、ほんとはもう予約いっぱいのところに、無理言って終わりの時間の後に入れてもらったんだよね」

 

――という感じで、予約外特別で時間外、さらに遅刻、その上戻って乗り換えてくるというわけにいかず、検査は中止になりました。。

 

まあ、この日の夜、意識を失って次の日手術でしたので、検査したところで……ではありましたが。

 

ST~手術後

手術後のリハビリ再開では、STが一番遅く始まりました。手術前の顔マッサージや舌伸ばしから始まりましたが、唾を飲むテストを何度かして、なんとか飲めていたので、ベッドを60度くらい上げてシリンジから飲むのを試しました。

その時も今も思っているのですが、頭が天井に対して直角じゃないほど、飲み込みづらいと思いませんか?

私は少し横になった状態では飲みづらいので、ベッドの角度を無視して体を起こして飲もうとしたのですが、STさんに「危ない。だめだめ」とベッドに戻され、結局飲み込めなくてむせることに……。

 

なにこれ? 変な体勢でも飲めるだけの高度な嚥下能力を試されてるの?

 

と、不満に感じながらも、声が出せないので文句も言えずにいました。

 

 

 

*****

☆この記事は2010年代初出のものを身バレ防止のため時期をぼかしてリライトしています。

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