新あんこのログ

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脳出血(脳幹延髄小脳)障害2要介護2

回復期病院⑫~もういられない……2ヶ月半で自主退院を決める

回復期病院は入れる制限があります。

脳疾患や骨折等の指定疾患の後遺症リハビリが必要であり、かつ初発症、または手術日から2ヶ月以内でないと入院できない。

そして、私のような脳疾患の場合は、5ヶ月~6ヶ月しかいられません.その前に、日常生活ができるレベルに改善するなら、早めの退院はありますが、たいていの脳疾患の場合、一生付き合っていくような後遺症が残るため、ギリギリまでは入院中に集中して、専門療法士の元でリハビリをします。

 

しかし私は、帰りたくてしょうがなかった。

急性期に入院してからすでに5ヶ月ほど、ずっと入院生活で、私の入ったリハビリ病院は、庭もなかったので、外の空気に触れることもできない毎日。

急性期から引き続き、病院は夜中もほかの人のナースコール、おむつ交換、アラームなどひっきりなしですから、5か月間、朝までぐっすり眠れたことはありません。

リハビリ病院で、食事は普通食が食べれるようになり、飲み物はまだ若干のとろみ付けが必要でしたが、家で飲食するには問題ないレベルになり、いよいよ帰りたくなってきた。

認知症さんの最初確認」をさせられてる感はいよいよ濃くなりました。

だって2ヶ月半の間に、私の前のベッドは7人も交代したんですよ。入院時、まず私の前のベッドに入り、数日私が(結果的に)様子を窺う。おばあちゃんが困っているのはかわいそうだから、できるサポートはしてあげたし、ナースコールがわからないおばあちゃんの代わりに、私がナースを呼びに行く。

 

そんな中、また認知症のおばあちゃんが私の前に入ってきました。

とても活発で良くしゃべるおばあちゃんなのですが、じっとしていられないから、車いすに安全帯で抑制されていました。それも気に入らず「ねえ、これ外して」と病室から廊下を行き来する看護師さんに声をかけますが、看護師さんは外してくれるわけがありません。

そしてとても、おしゃべり好きみたいで、ほぼ毎日来ている娘さんがいるあいだはいいのですが、帰ってしまうと、私に話しかけてきます。

最初のうちは相手していたのですが、リハビリ時間以外、部屋にいるあいだずっと話しかけてきます。

娘さんも、おばあちゃんが私に慣れていると感じたようで「うるさいと思いますが、よろしくお願いします」と言ってました。「いえいえ、よろしくお願いされても困ります」とは言えるわけないでしょ。はいと言うしかないでしょ……

夜にしても、9時消灯だったのですが「こんな早くから眠れないわよ。起こして。ねえ、あんこさん、起こしてって看護師さんに頼んで」という感じで、1時間ぐらい騒いだ末、別室(病室とは言えない)にベッドごと運ばれる日々。

元々夜中は、2時間おきには何かしらで起こされていたので熟睡ができておらず、午前中のリハビリの後、昼食までは昼寝してたのですが、昼寝してても起こしに来るんです……

カーテンを閉めて寝ているときに以前書いた看護師Sさんが入ってきました。

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看護師:あんこさん、(カーテン閉めて寝て)どうしたの? 具合悪い?

あんこ:いや実は(ひそひそ、おばあちゃんが昼寝邪魔するから)

看護師:あー、そうだよね。ごめんね。なんとかするね。

 

と言ってくれたし、これまでも、みんな数日でほかの部屋(認知症の人を集めた部屋)に移動していたので、そうなるのかな、と思っていたら、その日のうちに、そちらの部屋に移動になり、一安心。

その数日後、おばあちゃんの娘さん(と言っても私より上)と廊下で会ったので「こんにちは! おばあちゃん――」

 

新しい部屋に慣れましたか?

 

とあいさつしようとしたら、つんと会釈だけされて、行ってしまいました。

 

え?

 

ええ?

 

もしかして、あの看護師さん、はっきり、私が迷惑がってるから部屋移すって言ったんじゃない?

っていうか、あのつんけんした態度は、明らかに私のこと怒ってるよね。

どうにかするって、私のせいにしたの??(そうだけど、どうせまた認知症の人が入ってきたら、その人、私の前に入れるクセに)

 

まあ、その後、娘さんと会うと、お互いばつが悪いこと。

おばあちゃんだけは「あら。お元気~?」と愛想良く寄ってくるのですが、娘さんが「お母さん行くわよ」と、車いす回れ右して行っちゃうし。

 

前に書いた、夜中暴れる紳士は相変わらずで、この気まずい日々も始まり、いよいよストレスが溜まってきたある日、私の前に、はっきり言ってしまうと、長くないと思われる重篤なおばあちゃんが入ってきました。

身体中、酷く浮腫んでいて、意識混濁、苦しそうに唸り続けています。こんな状態で、どんなリハビリするんだろうと思っていたら、最初の世話に来た看護師さんがフリーズ。

 

看護師:え……ちょっと待って。この方、うちの患者さんじゃないよ……

あんこ:あ、やっぱり? どうやってリハビリするのかと思ったら

看護師:リハビリどころじゃないよ。急性期だって。まったく、院長がだれでも受け入れちゃうから

 

数日後、院長がご家族と話したらしく(受け入れたけど、こちらでの診断の結果、無理の旨)、ご家族は泣きながら、私に話してくれました。

そのご家族曰く、元にいた急性期に最初運ばれたとき「持っても数日。お葬式の準備などしておいた方がいい」と言われたそうなのですが、持ちこたえてしまい、2ヶ月、急性期にいたそうです。

そして、病院のソーシャルワーカーから「2ヶ月しかいられないから、緩和ケアに行くか、〇〇リハビリ病院(私がいたこの病院)なら受け入れてくれるそうです」と言われたそうです。

ご家族は、リハビリ病院が受け入れてくれるということは、良くなる可能性もあるのかと思い、この病院に転院したのだそうです。

数日しか持たないと言われたのに2ヶ月持ち、そのうえリハビリ病院が受け入れてくれると言われたら、そりゃ期待しちゃいますよね。

だけど、転院するなり「〇さんはリハビリは無理だし、正直回復は見込めない。緩和ケア探してあげるからそっち行きなさい」と言われたそうです。

 

そして、そのおばあちゃんだけ、リハビリ病院では見かけないような管がいろいろ繋がった患者さんとなり……

正直、転院前にお亡くなりになるかもしれないような状況で。

 

そのころ、私は血圧も上がり気味になっていました。

そして、目の前で、亡くなる人を見たくない、という思いで「すぐ退院しよう」と決めたのです。

 

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☆この記事は2010年代初出のものを身バレ防止のため時期をぼかしてリライトしています。

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