【脳幹部海綿状血管腫】04. 社会復帰できた1度めの出血/ところで血管腫ってなに?
一年以内の再出血は20%
この5人に1人という確率を「4人のほうに入るぞ」と、1年意識していました。
過労で倒れたと会社側も思っていたようで、一見、わりと落ち着いた職種メインに変えてくれました。
しかしそれは、私が持っているスキルだからできるという新たに作った部署で、会社として、その分野の事業を立ち上げるためのベース作りは私がやるわけです。
ゼロから新しい部署を作る、当然会社の利益になるように新事業を作り上げていかなければなりませんから、初期はやはり苦労しました。
とはいえ、以前のような延々納期に追われ続けるような慌ただしさはなくなったので、自分でもだいぶストレスが減った気でいました。
部署や職種が変わったこともあり、自分自身で疲労もストレスも減ったと思っていたからか、念願の1年以内の再出血はありませんでした。
ただもしかしたら、再出血あったのかもしれません。あったとしても気付かなかっただけかもしれません。
理由は後述。
1年過ぎたあとから2年ほどで数度の再出血
なんだかんだと休職続きだった私は、迷惑をかけた同僚に恩返ししたいとか、長く休んでも会社に戻してくれて、私が疲れすぎないよう新部署を作ってくれた会社(的にもやりたい事業だったのでしょうが)にも感謝があったので、仕事で返そうとちょっと無理していたのかもしれません。
「ヤバい。なんか指先痺れる」
「ふらつきがある、めまいがする」
……(だいたい最初に感じるのは痺れや指先の震え、ふらつき等です)
と感じて、退社後病院へ行くと、
「出血してる」と言われることもありましたが、治療ができるわけではないので「大丈夫だと思うなら、仕事行っていいよ。おかしいと思ったらまた来て」ということも数度ありました。そういう時は、そのうち症状が治まり、また普通に戻ることができました。
また、明らかに症状がはっきり出ていて、入院準備して病院に行くと「出血してないよ」と言われることもありました。
後遺症は治まったようで、体調や気候でぶり返し表出することもあるようです。
私自身、これまでにそういうことは結構ありました。今後もあるでしょう。
明らかに出血したと思えるほど、はっきり症状(半身全体の痺れや、ろれつの悪さ)が出ているときでも、CTで出血の痕が見えないということも何度もありました。
これは毛細血管からの出血だからなんですね。
『海綿状血管腫』の形状と普通の血管からの出血との違い
海綿状血管腫というのは、原因不明にできてしまった毛細血管の集まりです。
形状は血管ですから、血が通る穴が開いています。ホース、ストロー、マカロニのような。
そして、毛細血管ですから、とても細い血管です。ここからの出血というのは、擦り傷で少し血が滲む、あの感じです。
糸くずを丸めたような感じで、まさに穴の開いた海綿のように見えるからこの名前なのだそうです。
原因不明で伸びてできてしまったものですから、本来は不要な血管です。
だけど真ん中に穴が通っている。
急激な血圧上昇時や、転倒や殴打で大きな刺激を与えられると、通常の血管から、その普段は使われていない毛細血管にまで血が巡ってしまう。
しかも奇形で本来不要な血管ですから、先が閉じていません。血が巡れば、口の開いた先端からこぼれ出てしまう。
でも出る量が前述したとおり、血が滲む程度なのです。
だから、見づらい場所(私の場合はこれ)だと、出血していても写らないのだそうです。
そんなわけで、入院しない自覚のある出血は、この間数度(4~6回くらい)しました。
普通の生活をしていましたし、仕事もしていました。
再出血があっても
「所詮、毛細血管からの出血。たいしたことないんだな」
「いきなりぶっ倒れるとかはないし、徐々に症状が出るから自分で判断できる」
と、けっこう、付き合っていけるものと思っていました。←間違い
血管腫はどこにでもできます
私は本当に場所が悪く、脳幹、延髄の真ん中なので出血も手術も深刻になりますが、血管腫自体は悪性のものではありません。
どこにでも誰にでもできます。
赤ちゃんは皮膚の下にあり青く目立って気になることがけっこうあるようですが、それも悪さをするものではありません。
ちなみに私は、肝臓にもわりと大きなものができているのを、胃炎でエコーをしたときに見つけられました。
「悪さをするものではないけど、あまり巨大になるとほかに負担になるから、それだけ定期的に見ていきましょう」ということで、年に1,2度、エコーで状態を診てもらっていますが、3年くらい変化なしです。
ある程度の年齢を超えると、誰しも大小気にするほどではない動脈瘤があったり(私もあります)、さらに高齢になると、気づいていない梗塞痕(がいくつも)もあるようです。
予防の意味で、定期健診のオプションで、誰でも安価にCTやMRIが受けられるようになればいいなと思います。
(病気無しで受けると高いです)
そして、また入院レベルの出血がありました。
初出血から丸3年経ったころだったと思います。
これは、また次回の記事で。
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☆この記事は2010年代初出のものを身バレ防止のため時期をぼかしてリライトしています。
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