ピザのとろけるチーズはわりと難しい(嚥下障害)
この記事は障害後半年のころに書いています。今はとろけるチーズも食べられます。
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これまで無意識に食べたり、飲み込んでいたものが、嚥下障害という症状になって初めて「実はこれ、飲み込むのに力が必要だったんだ」と改めて知ったものがあります。
リハビリ病院のSTについたリハビリで、通常食まで食べられるようになって、まもなく退院しました。
「なんでも食べていいよ。でも何を食べるんでも、よく噛んで、飲み込むときは少しずつね。窒息に気を付けてね」
というのが、STさんの言葉でした。
嚥下障害で一般的に一番気を付けるのは、飲み込んだ時に食道ではなく、誤って器官に入ってしまうことで発症する誤嚥性肺炎です。
高齢者で肺炎になってしまうことが多いのは、誤嚥したことに気づかない(反射が弱くなっている⇒むせない)せいだったり、気付いても、吐き出せるほど力一杯咳き込めないのが原因のようです。
私は反射は良く、むせて咳き込んで誤嚥したものを出すことができますので、肺炎はあまり心配しなくていいそうですが、喉の左半分が失調であまり機能しておらず、右半分の力を使って飲み込んでいる感じです。
あと私の感覚的に、「飲み込む」のあとに、「飲み下す」という作業があるのですが、つまり「ごっくん」の「ごっ」が「飲み込む」だとすれば、「くん」という喉仏が上がる運動が「飲み下す」で、これが未だに十分の強さがありません。
退院してすぐというのは、病院では出てこなかったものが食べたくなります。
ハンバーガー、寿司、ピザ、焼き肉は次々に挑戦しました。
思いのほか苦戦したのはピザでした。
チーズが厄介です。
病院で出ているような、サラダに散りばめられた小さな固形のプロセスチーズはなんでもなかったので、まったく予想外でした。
ピザを覆い尽くしているとろけるチーズ、伸びるチーズ、冷めると伸びたまま緻密な生地になり固まるチーズ。
これが飲み下すのがたいへんで、小口ずつ口に入れよく噛んで(噛んでも、とろけるチーズはあまり分解しない)、何度もごっくんごっくんを繰り返し、1枚食べ終わる前に冷たく固くなっていました。
「ピザってけっこう難しい。もっと、回復してからだな」
と思って、その後は控えていたのですが、最近、退院直後よりだいぶ嚥下が改善してきたので、久しぶりにトライしました。
まだまだごっくんがたいへんですが、ピザだからの大変さは、ほぼなくなったと思います。サイドメニューで頼んだ大き目ポテトフライのほうが飲み込みづらかった感じで。
いろいろな障害が残っていますが、嚥下機能が一番回復を実感しています。
やはり無意識とはいえ、毎日欠かさず何度もリハビリになるようなこと(飲食)をしているからかな、と思います。
ほかの症状も同じくらい回復を実感できれば、やる気にもつながるのでしょうが……なかなか。
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☆この記事は2010年代初出のものを身バレ防止のため時期をぼかしてリライトしています。
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