新あんこのログ

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脳出血(脳幹延髄小脳)障害2要介護2

嚥下障害のこと。同じ障害でも人それぞれ出かたは違うの

私の障害の一つに嚥下障害があるのですが、嚥下障害というものは、脳疾患(脳梗塞脳出血)直後は程度の差こそあれ、結構出る症状のようです。

私の場合、嚥下に影響が出る脳幹そのものをやられていますから、他の部分の脳疾患者より、強めに出ているほうかもしれません。

ただ発症直後、嚥下に影響が出た(今は完全に、あるいはほぼ、回復している場合が多い)、という人は割と多いので「分かる―」という感じで、ある程度理解してもらえて、基本的には症状の辛さや不便さは説明せずとも理解してもらえるので、普段は、その件についての説明はあまりいらず楽なのですが。

 

私が通っている半日型デイサービスにはお茶休憩があり、飲み物とおやつが出ます。

私は今はほぼなんでも飲食できるのですが、完全に回復した状態で飲食しているわけではありません。

また体中に失調があり、そのせいで手先が震えうまく使えず、飲み物は取っ手がしっかり握れるマグで、かつ8分め以上注ぐと震えてこぼすので、少なめに注いでもらいます。

 

夏の間はアイスコーヒーを飲んでいたのですが、先日大分寒かったので「ホットコーヒー、水でぬるくしてください」とお願いしました。温痛覚障害もあるので、熱いものは飲食できないのです(だからラーメンなども冷める=伸びるまで食べられない)

私の症状をよく知っているスタッフさんは、問題なく作ってくれるのですが、その日淹れてくれたスタッフは、私が熱いものを飲むときの注意点諸々を知らない人だったので、まず「ホットと言っているのに水でぬるく」の時点でイレギュラーに感じたと思いますし、それで出されたコーヒーはやはりまだ私には熱く、かつすでに水を足した分量が多く持ち上げられない感じでした。

「悪いけど、まだこれだと私には熱いからもう少し水足して。で、多いから少し捨てて……」と言っている間に忙しいスタッフは、なみなみに注いだコーヒーを出してきました。

「ほんと手がかかって悪いけど、これだと私持てないから、少し捨てて――」と言っているのに「大丈夫。受け皿下に敷くから。口付けて飲んで」と、マグカップの下に受け皿を置かれ。

 

 イラッ

 

でもスタッフも忙しいんだし、最初から全部説明する場面でもないし、なにより、まだ手をかけて、これ以上面倒な利用者と思われるのも嫌なので、非常に不本意ながらカップを置いたまま口をつけて飲みました(健常時は飲食の無作法は嫌いで、人よりは行儀よく飲食していたつもりです)

 

一緒におやつ休憩だった70代くらいの男性利用者さんが

男:ストロー使えば?

私:それが私、ストローも使えないんです。唇も障害あるからくわえる力弱いし、軟口蓋も下がってるので吸い込めないので。

男:そうなんだ。たいへんだね。私も最初は同じように嚥下できなかったけど今は平気だよ。

私:私も何度か脳出血していて毎回嚥下できなくなったんですけど、前はだんだん治ったんですけどね。今回は強く障害が出て。

男:リハビリしてる?

私:うーん……もうすでに4年めになりますし、ある程度まで改善してから、それ以上はいっこうに改善しないんですよね。

男:努力が足りないんじゃない?

私:いや、日に3度の食事におやつ食べてますから、それだけでもかなり嚥下訓練してるわけで。それでこうなので。。

 

まあおじさまの最後の一言に、寛容ではない私がイラッと来たのは言うまでもないですが、同じ程度の障害持ってない人にはわからないだろうなと。

私も他人様の障害の辛さ不便さはわかりませんから。

 

でも十把一絡げに言う偏見は、私自身好きではないので、なるべくそういう見方、考え方はしたくないんですが、これくらい以上の男性の方って「努力してるかしてないか」で判断しやすく、「若いもんは努力しない。他力本願で文句ばっかり言う」という感じの固定観念が強い人が多い気がします。

「努力が足りない」という、どちらかと言えば叱咤するような言い方が出るのはこれくらいの年以上の男性に多い気がします。

もちろん老若男女問わず、こうした発言をする人はいると思います。

 

後遺症は辛く不便なものです。

悲しみに打ちひしがれ、なにもやる気が出なく落ち込んでいる人でもなければ、努力しない人なんかいません。

デイサービスに来てリハビリしようとしている人は特に、少しでも良くしようと、今の状態を維持しよう(悪くならないように)と思っているわけで、利用者の100%が努力していると思います。

 

「努力が足りない」とか言うな、というのではなく、私が人様に向かって「努力足りないんじゃない?」とは絶対言わないようにしよう、と改めて思いました。

 まあ、言ったこともないですが。

 

 

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☆この記事は2010年代初出のものを身バレ防止のため時期をぼかしてリライトしています。

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