3回めの入院(3)手術までの記憶①右半身の激しい痺れと血圧上昇
入院してから手術をするまでが10日くらいだったのですが、その間、寝てばかりいたせいか、途中から時間経過の感覚があまりなく、さらに今となっては時間と症状の推移をきちんと覚えていません。覚えていることを断片的に書きます。
もともとしびれが出ていた右半身のしびれが、日増しに強くなっていきました。
気が付くと、右側だけが着ぐるみを着ているような感覚の鈍さと膨張感を感じます。寝ていても右のお尻の下に何か踏んでいるような違和感があって、お尻の下に手を入れて探りますが、なにもありません。
右側だけ膨張感を感じるので、右だけ浮き上がっているような、左右がアンバランスな感覚がして、さらにはそのアンバランスさのせいで、ベッドから転がり落ちるような感覚です。
私はベッドの柵を握りしめ、落ちないようにしていました。
それが異常感覚なのはわかっていましたので、お見舞いに来ていた夫に
「まっすぐ寝てるでしょ? でも私はベッドから転がり落ちそうな感覚がしてるの。お尻の下になにか踏んでる気がしてるんだよ」
と、異常な感覚を伝えました。
「峠を越えたら症状も改善していくんだけどねえ。どこが頂上が分からないから。今の症状が頂上だといいんだけどねえ……」
見舞いに来てもらっても、ただ安静にしている入院生活でしたので、治療経過などで伝えることはありません。話すネタもないので、現在の症状を伝えていました。
入院してから、一度もお風呂に入っていませんでした。
3,4日を過ぎたころからは、自分が臭いそうで嫌で嫌で、夫がくると、お湯で濡らしたタオルで顔や髪を拭いてもらいました。
ベッドから出てはいけない患者、となっていれば、清拭するメンバーに入っていたのでしょうが、まだトイレ(個室はベッドそばにトイレがあります)は自分で行っていたので、動ける(自分で体を拭ける)と判断されていたのか、拭いてもらえることはありませんでした。
歯磨きも最初こそはできたのですが、だんだん起き上がるのがつらくなり、さらに、口を濯いだ水を上手にはき出せなくなっていたので、歯磨きもしなくなりました。
病院は、「出来ることはなるべく自分でする」ことが、回復に繋がると考えていますから、自分から「出来ないからお願い」と言わない限り、こういう点を積極的にはやってくれません。
それに(今でもそうですが)、私の症状は外から判断できないものばかりで、黙って横になっていたり、座っていれば、どこも悪いようには見えないのです。「出来ないから、やって」と言えば清拭でも歯磨きでもやってくれたのでしょうが、唾液の吸引だけでも相当手をかけているので、言えませんでした。
頭痛がしていましたが、天候が荒れているせいだと思っていました。しかし、血圧が「150」「160」とか、普段90台~110台の私にはありえない状態が続いていました。
私「おかしい! こんな血圧になったことはない」
看「うーん。でも、高血圧の人なら普通に出る数字だし」
私「いや、私高血圧じゃないし。普段と比べて50以上高いんだよ? おかしいよ」
看「この電子カルテは先生も見ているから、異常だと思えば指示が出たり、先生が来てくれるから大丈夫よ」
私「……」
何度かそんなやりとりをしていましたが、
「頭もすごい痛いし、明らかにおかしいよ。血圧が上がっているからかもしれない。降圧剤を処方してって先生に言って。血圧上がると、また出血しちゃうかもしれない」
……と、食い下がったところ、生まれて初めての降圧剤が処方されました。飲み込めないので服薬ではなく、皮下吸収のシールでしたが。
あとから思えば、出血していたからこそ、血圧が上がったり頭が痛かったんでしょうね。
しゃっくりのことにしてもそうですが、医師や看護師は、きっと出血していると分かっているのだと思います。それを患者本人に言わないのは動揺させないためなのでしょうか?
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☆この記事は2010年代初出のものを身バレ防止のため時期をぼかしてリライトしています。
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