新あんこのログ

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脳出血(脳幹延髄小脳)障害2要介護2

だいぶ前ですが、長嶋茂雄さんのリハビリ頑張っている番組を観ましたか?

日本国民の不滅のヒーロー、長嶋茂雄さんのドキュメンタリーですから、観た方は多いと思います。私は野球に全く興味がないのですが、彼のことはさすがにある程度は知っていますし、こういう身体になった今、彼の回復状態やリハビリ方法はとても興味があります。

 

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www.tbs.co.jp

 

後遺症やリハビリや介護とは無縁の人、それは数年前の私自身ですが、これらの人々と当事者たちとは、持った感想が違うだろうなと思いました。

 

当時、前者の人々の多くは「さすが長嶋さん。10年もリハビリを続けているなんて」「麻痺しても、リハビリを続ければ回復するんだ」……と、賞賛や前向きな感想を持ったのではないでしょうか。

もちろん後者の当事者たちの感想にも、賞賛はあったと思います。私もそうです。「頑張り続ければ。回復を諦めなければ」と、前向きは気持ちにもなりました。

 

でも、なにか割り切れないものがありました。

 

「歩けるようになれば、そこでリハビリをやめてしまう人がほとんどです。でも長嶋さんは、その後も週4のペースでリハビリを続けています」

 

 

――二人のセラピストに指導されながらトレーニングする長嶋さんの映像

 

 

週4でリハビリをセラピストについてやりたくても、介護保険の制限でできません。

また、介護保険と外来のリハビリにかかれる健康保険の併用はできません。それに健康保険とはいえ、週4は多分できないでしょうし、できるとしても庶民のかけられる金額ではありません。

 

「彼のリハビリは、長嶋さん(お金もある、知名度も高い)だからできることなのだ(溜息)」と、多くの当事者が思ったのではないでしょうか?

 

 

「10年もリハビリを続けている」

 

「走ることが目標」

 

 

たとえお金があり、リハビリの環境が整っていたとしても、本人が諦めてしまったり、やる気がなければリハビリは始まりません。続けられたのは、長嶋さん本人の意思があるからこそです。本当に強い意志だと尊敬します。

 

だけど、だけど……

 

10年間、庶民には得られない(きっとこれ以上ない恵まれた)環境でリハビリを続けてきても、やはりまだ元のようには動けないんですね……。

 

とか思ってしまったわけです。

「脳の可塑性よ、そこまでか」とか「つか、専属(多分)のセラピスト、本当に超一流(だと、勝手に思っている)なのか?」とか。。

長嶋さん、周囲で助ける皆様、ごめんなさい。

 

通っているデイサービスで、発症から17,8年経ったという方がいます。片麻痺車いすで通い、装具をつけた足を引き摺るように、平行棒で歩行練習しています。

彼もまた、諦めずに続けているのです。でももし、彼が長嶋さんと同じ環境でリハビリを続けていたら? もしかしたら、今頃すでに歩けるようになっていたかもしれない。

リハビリの効果はいろいろな要素からなるものですから、これはあくまで、そういう複雑なことを考えない単純な発想ですが、もっとリハビリの環境が整っていれば――と、常々感じています。

  

デイサービスに来ている利用者さんも、やはりこの番組を観ていたようです。

 

「長嶋さん、すごいねー」

 

「やっぱり頑張れば良くなるのよ」

 

と、利用者のみなさんに光を射したようです。

  

いろいろ思ったことを書きましたが、私だって、全体的にはこの番組を観て前向きな気持ちになりました。

 

「(脳の)血管が増えているらしいですよ」

 

おお……!

よく分からないけども、きっと、それが脳の可塑性とか? シナプスとか?

ようするに機能が新たに学習され、形成された証ではないか、と、調べもせず思っている次第で、それが光明となり。

 

 願わくば長嶋さんやそのご家族の皆様が、一般庶民のリハビリ環境の現実を知って頂き、そしてあのミスターから

 

「回復期が6か月なんてナンセンス! 高齢化社会に生涯現役を目指してもらうためにも、生涯回復期として制度を整備して、日本をメイクドラマしよう!」

 

と世の中に言ってほしいと切に願います。あなたの声なら、きっと国会議事堂に届くでしょうから。

 

 

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☆この記事は2010年代初出のものを身バレ防止のため時期をぼかしてリライトしています。

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