新あんこのログ

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脳出血(脳幹延髄小脳)障害2要介護2

3回目の入院(10)クラシックが流れる病室

個室(と言っても差額ではなく重篤だと入る部屋)でまだベッドに拘束されていた頃、ipodの許可が出ました。

ICUから引き続き、ナースステーションのCDラジカセを貸してくれていて、朝になると看護師さんんがFMをかけてくれていたのですが「あんこさん、どんな曲が好きなの?」と聞かれました。声は出ないながらも、口だけで―クラシック―と答えると「クラシック? これCDも聞けるから、旦那さんにCD持ってきてもらいなよ」とおっしゃって頂けました。

わあ、音楽聞いてもいいんだー、と、辛い寝たきり生活に少し光が差しました。

本当は、原則だめなことなんでしょうけど、この病院は、携帯、ポータブルテレビ、PC等もほかの患者さんに迷惑をかけない、度を超えない範囲なら、許容するようです。しかも私は個室だったので、さらに許容してくれたのかもしれません。

 

早速夫に伝えて、ipodと小さなスピーカーを持ってきてもらい、借りっぱなしだったCDラジカセは返しました。

私のはipod classicで容量が大きく、かけっぱなしにしておけば、操作することなく日中ずっと聞いていられますし、全部聞こうと思っても、数十日かかるほどデータが入っています。

まだ起き上がることは出来なかったのですが、朝、日勤の看護師さんが来ると「音楽かけようか? なにがいい?」と聞いてくれます。なにしろ数百枚分入ってますから、持ち主以外が操作したら曲を探すのはたいへんです。それに声が出ませんから、文字盤や無音の口の動きで伝えるのは至難の業です。-ナンデモイイ-と口の動きで伝えると、「じゃあ、このまま再生するね」と、昨日の続きから流してくれる人や「私もクラシック好きよ。なんにしようかな~。あ、ショパンでもいい?」とか、好みで選んでくれる人もいます。

自分で選んで聴くとつい偏りがちで、ほとんど聴いていない曲もありますから、こんなふうに選んでもらえると新鮮で嬉しかったです。

 

先生が回診に来た時に、たまたまバッハがかかっていたのですが「おー! これバッハ? この部屋落ちついていいねえ。先生も疲れたらここで休んでいい?」とか言ってましたが、もちろん、本当には来ませんでした。

でもこれらの対応から、この病院は柔軟だなあ、と思ったりしたのですが、今どきはそういうところが多いんですかね。

 

なんにもやることがなく、時間も分からずに、ただ苦痛とだけ向き合って、気の遠くなるような時を過ごしていましたが、ipodを聴けるようになったことで「この曲は全楽章で45分くらいあるから、聞き終わって少し経てば1時間、もうすぐお昼だ(流動食だけど)」とか「この曲の主題を集中して追いかけよう」として、現実逃避できたりしました。

 

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今は、私の定位置(ダイニングテーブル)の横のラックに置いてあります。

 

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☆この記事は2010年代初出のものを身バレ防止のため時期をぼかしてリライトしています。

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