新あんこのログ

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脳出血(脳幹延髄小脳)障害2要介護2

3回めの入院(2)唾液すら飲めない嚥下障害に必須のティッシュ→吸引カテーテル

  • 脳出血は発症後も出血が続いたりで1~2週間は容態が変化する
  • 脳疾患の患者はひたすら寝ることが多い
  • 症状は日々悪化していくが峠がくる。それを超えれば今度は回復していく

ということを、これまでの経験と知識から知っており、それを念頭に置いた入院生活が始まりました。

 

嚥下障害で唾液も飲み込めず、ティッシュに吐き出していました。だいたい1日で、ティッシュ1箱を使い切りました。

 

しゃっくりは脳卒中の症状の一つ

そのうち、しゃっくりが出るようになりました。出始めると何時間も止まらず苦しくて、担当医師や看護師さんに訴えたのですが、しゃっくりの治療はないので、堪えるしかありませんでした。

当時は、ティッシュに唾液を吐き出すときに「ペッ!」と、唾液を切る行為で力が入り、横隔膜に負担がかかっているせいだと思い、ティッシュに吐き出すのをやめて、カテーテルでの吸引だけになりました。

看護師さんを頻繁に呼ぶのは申し訳なかったのですが、我慢しても1時間待てないで呼び出す状態でした。

 

あとになって、しゃっくりは脳卒中の症状の一つであることを知りましたが、誰もそれは教えてくれませんでした。

 

 

やたら眠い、だるい、頭が痛い、しゃっくりが出る、この辺はもしかしたら脳卒中の前触れか症状と記憶しておいてください。

 

吸引カテーテルと看護範囲

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手術や治療のなかった(出来なかった)私は、入院直後からベッドでのリハビリが始まりました。

STさんに「唾液が溜まりやすいけど、頻繁に看護師さんを呼ぶのは心苦しい」ことを伝えると、自分で出来るように、と、寝たままオンオフできるように吸引機を細工をしてくれました。

これは使いやすかったのですが、手元に置いておいたカテーテル部分をベッド下に落とすということをしょっちゅうしていました。

私は躊躇なく、落ちたカテーテルを引っ張り上げてそのまま口に入れ吸引していました。

今思えば、とんでもなく不衛生なことですが、その時はぼーっとしていましたし、今にも口からあふれ出しそうな唾液に不快感がいっぱいで、そんな不衛生なカテーテルを、また落とさないようにと、大事に握って寝ていました。

とはいえ、落ちたまま寝ているときに看護師さんに見つかって「大丈夫です。そのまま使います」なんて、看護師さんにしてみればとんでもないことを言うと「ダメ! だいたい、カテーテルは1回使い切りよ」と、取り上げられました。

 

その後、ロリポップキャンディみたいな形でミント味がうっすらする、口に入れっぱなしにしておける吸引カテーテルを、看護師さんが試しにと持ってきてくれました。

始めは良かったのですが、口に入れっぱなしで唾液を吸い続けるものですから、今度は口が渇き過ぎてつらくなります。

口の中から取り出したり、唾液が溜まったらまた入れたりしていたのですが、入れたままうつらうつらと寝てしまい、看護師さんが様子を見に来た時に、口の中がからからになっていて「これはダメですね。やっぱり吸引に来ますから、遠慮せず呼んでください」と、元の状態に戻りました。

 

この「遠慮せずに」はガイドラインどおりでも真に受けてはいけないもので。

トイレ付き添い、カテーテル操作、車いすへの移乗とかは、安全のために看護師が付き添い、操作しなければいけないのだと思います。

もし患者さんが一人で転倒したり事故が起きれば、看護師さんは恐らくペナルティが課せられるのでしょう。

しかし、忙しい時間や深夜の人手が足りない時間だと、ナースコールしてから30分以上待たされることもあります。

 

看護師さんは忙しいのだから呼ぶのは申し訳ないと、たいていの患者さんは考えるので、みんな一度は、勝手に車いすに移乗しようとしたり、トイレに行こうとして見つかって、きつく叱られます。「遠慮せず、必ず呼んでください」と。

私も忙しい時間帯にトイレに行きたくならないように、調整していました。

 

入院したことがあれば誰でも知っていることでしょうが、ルールや看護方法も、看護師さん個人によるところがあります。

A看護師さんはダメと言ったことでもB看護師さんはOKだったり、また、吸引をお願いしたくて呼んだときも、丁寧に隅々まで、様子を見ながら吸引してくれる看護師さんもいれば、「自分でやってたよね?」と言って、カテーテルだけ渡されて、すぐに行ってしまうこともあります。

そのころ私は起き上がるのさえつらく、高い位置にある吸引機のスイッチに届かず(今思えば届かないというより体幹失調で膝立ちできなくなっていた)、かといって、またすぐ吸引するだろうに「スイッチ止めてください」と看護師さんを呼ぶことも躊躇われて、作動したままのカテーテルを持ったまま、誰かが来てくれるのを待つこともありました。

 

「え? どうしたの?」

ある夜、カテーテルを渡してくれた人とは別の看護師さんが様子を見に来て、作動したカテーテルを持ったままの私を見て驚きます。

「〇〇さん(看護師さん)が吸引機つけてってくれたんですけど、自分でスイッチ止められなくて」

「自分でやったの!?」

「はい。自分で出来るし……でもスイッチに届かなくて」

「それで? 〇〇は自分でやれって言って、行っちゃったの?」

「……はい(汗」

血相を変えて出ていき、別の看護師さんを連れて戻ってきます。

 

「ひどいねえ」などと二人の看護師さんは〇〇さんの文句を言い合いながら、改めて私の唾液を丁寧に吸引してくれて、布団などもかけ直してくれたりしていると、〇〇さんが聞きつけてやってきました。

「だって、この人自分でやってたもの」

「これは私たちがやらなきゃダメなの! それにあんこさんは、今動けないんだから!」

 

――などのやり取りが、夜中、私のベッドサイドで行われた――と思います。

 

思います、というのは、この緑色部分は幻覚かもしれないからです。なにせこのころ、多分入院して1週間を過ぎたころから、朝も夜もなく、吸引以外はほとんど寝ていて、どこか幻覚の中にいるような感じでした。

 

ついでに言うと、この〇〇さんの看護は冷たく、私は〇〇さんが苦手でした。

 

 

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☆この記事は2010年代初出のものを身バレ防止のため時期をぼかしてリライトしています。

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