横断歩道「足が悪いので手を貸して」というおばあさんの握力が強い理由
結論から言うと、怖いから、力いっぱい握るのです。
自分で歩ければ人の手など借りませんし(誰でも自立して歩いてますよね)、私もバランスがとりづらいところでは、力いっぱい何かに捕まって姿勢を保とうとします。
特に横断歩道は、歩行に難がある人には難所で、信号が青のうちに渡り切らなければいけないという時間制限付きなので、余計に緊張して危なくなります。
私もリハビリ病院で歩行練習(杖付き)をする際、横断歩道の標準的な距離を何秒で歩けるかを、何度も試されました。
結局私は、制限時間内にその距離を歩くことはできませんでしたし、今でもできません。
以前、Twitterで20代前半の女子が
「今日、横断歩道わたるときにおばあさんが『足が悪いので手を貸して』って言うから手をつないであげたんだけど、そのおばあさん、すっごい握力で痛いくらいだった。あんなに力あるのに~~」
と言っていたことがあって、「それはさ、」とリプしようと思ったんですが、「えー! ほんとは歩けるんじゃないの?」とか、疑う複数のリプがすぐついて、フォロー外だったこともあり流しちゃったのですが、いつかどこかで言おうと思っていました。
また杖をついていないけれど、歩行が危うい人はわりといます。
そろそろ杖をついたほうが安全、とはわかっていても、一度杖に慣れてしまうと、もう杖なしで歩けなくなるから、杖を使わない人もいます。
高齢の方がよく持っているシルバーカーやキャリーケースは、買い物を楽にするのは二の次で、歩行の補助道具の場合が大半です。
健常だとわからないことって本当に多いです。
私自身、障害者になるまで理解違いしていたことや知らなかったことがいっぱいあります。
その20代女子にしても思いもよらないことだったんでしょうし、自分含め、周囲にも足が悪い人が自分が足が弱くなるまで現れなければ、そのときまでずっと知らないままだと思います。
「あのおじいさん、声でかい。うるさい」
のは、たいてい耳が悪いからです。
「いくらでも手を貸したい」
と思っている優しく思いやりがある人でも、知らなければ不思議に思う行動が、障害者や高齢者にはあります。
これから高齢者はもっともっと増えます。
障害者だけでなく、高齢者の多くは歩行が危うかったり、目や耳が悪かったりと、一見外から見ただけでは、わからないサポートを必要とする人が増えます。
本当は学校で必修的にそういう福祉や手助けができるよう教えるべきだと思うのですが、今でもこうして知る人間が発信し、少しでも多くの人に伝えられるといいと思っています。
障害者になって、障害者視点から同じ事象を見て、理解できることがすごく増えました。
でも、まだまだ知りません。
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☆この記事は2010年代初出のものを身バレ防止のため時期をぼかしてリライトしています。
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