【脳幹部海綿状血管腫】01.初出血前の社畜の日々から入院まで
初めて脳出血したのは、40代半ばの秋。
当時私はIT企業で激務につぐ激務……が続いていました。
その年の春ごろ、激務の中でも激務中の激務の強烈にハードな案件に入り、朝食べようとして買ったサンドイッチに手を付ける間もなく出社するなり仕事、お昼も食べられず仕事、夕飯も食べられず夜中2時や3時に「泊りだけは絶対いや。帰って風呂入って数時間でも自分のベッドで寝たい」とタクシー(自腹)で毎晩帰っていたその時間まで、朝買ったサンドイッチに手を付けられていない、というような生活を続けていました。
「こんな生活続けてたら、さすがに私も血圧上がってんじゃない?」
と、真夜中帰宅後、血圧を計ると130とかを超えていたのですが、私の普段の血圧は100もない。正常時より30以上高い。
高血圧も生活習慣病もなかったので普段は血圧を測る習慣はなかったですし、そのころの平均がどれくらいだったかわかりません。
そして、ほかの病気になることはあっても脳疾患系になるとは夢にも思っていませんでしたから、私は血圧に注意は払っていませんでしたし無知でしたので「ストレスと疲れで上がるんだな」としか思っていませんでした。
130は一般的にはむしろ普通。けして高い数字ではないですしね。
とにかく食べたくても食べる時間がないので、2ヶ月で5キロ痩せ、四六時中微熱が続くようになり、毎日朝昼晩3本、ビタミンドリンクを箱で買って飲んで、体をだましだまし仕事していました。
家と会社にドリンク剤箱買いして一日3本飲んでいました……
とうとう、まずメンタルが壊れ、朝、吐き気でトイレから離れられなくなり、朝一客先だったにも関わらず急きょ休み。そうするともう会社に行けなくなり(体が拒否するらしく朝出勤準備し始めると具合が悪くなる)、数日続けて休み、自分でもメンタル壊れたなと思い、しばらく休職させていただくことになったのです。
しばらく休んでいても微熱は続くので内科や、婦人科(更年期も疑った)などで、ひととおり検査をしていたのですが、異常は見つからず、やはり自立神経が乱れているせいだろうと、心療内科でその手の薬を処方してもらい飲んでましたが、特によくなることもなく、かといって微熱がほんとに37度過ぎくらいの状態で、動こうと思えば動けなくもない、微妙にだるい状態だけがある感じで、日々を過ごしていました。
約3ヶ月休んで夏ごろ復帰したのですが、それも体調が良くなったからではなく「まだ戻れないか」という、現場の悲鳴が何度も届いていたので、仕方なく復帰した感じでした。
微熱は相変わらず24時間続いていました。
しかしその1ヶ月後。
週末で休みだったので、また検査で血液検査したのです。その帰りにふらつきを感じたのが、最初に感じた不調。
でも私、血液検査や献血でふらふらするのはデフォルトなので、そのせいだと信じて疑いませんでした。
その日の夕方頃、電話で話してる時(あれ……? なんか口が回りにくいような?)と感じました。
そして、寝るまで相変わらず貧血状態(だと思っていた)の気分の悪さの中、ネットしたりしていたのですが、妙に左目がしばしばしてきて「今日はもう疲れたんだな、寝よう」と思って寝たのでした。
次の日は朝から気持ち悪くて、ふらふらして、ベッドに横になっている感じでした。疲れているところに血液検査(血を抜いた)したから、貧血になっちゃったのかな、と思っていました。
喉が渇いて飲み物を飲むため起きても、壁にごつごつ当たりながら家の中を移動していました。貧血だからふらふらするのだと思っていました。
気持ち悪いから食欲もない。
起きてちょっと活動すると、気持ち悪くて横になる
⇒気持ち悪くて起きる
⇒リバース
⇒脱水症状になりそうなのでポカリ
⇒横になる
⇒気持ち悪くて起きる
⇒リバース……
の繰り返しを夕方ごろまで続けた時、洗濯物をたたもうと洗濯ハンガーを見上げたら、ふらーー、っと。
あれ? と、さすがにただの貧血では済まない気がして、それを夫に告げようと口を開いたら、ろれつの回らなさがはっきり感じ取れるほどになっていて、「やばい……これ貧血じゃないかも」と、病院に行くことにしました。
近所に救急も受け付けてくれる大きな病院があったし、救急車に乗るのはいやなので、大きな通りまで歩きましたが、相当ふらっふらになっていました。
この時は、最初の不調を感じてから1日半、放置したわけです。
血管腫からの出血は、毛細血管からの超微量出血だから、いきなり倒れたりしない場合が多いようです。
でも逆に、血管腫出血の場合、どのタイミングで出血したのかは自覚症状がなく全く分かりませんから、もっと前から出血していたのかもしれません。
そして病院に到着しましたが、誰でも受け入れる救急なだけに相当待たされます。昨年、うちの夫が胃潰瘍で明け方駆け込んだ時も、1時間以上待たされました。このときも「待ち時間2時間」と出ていました。
最初の受付で保険証と診察券を出し、問診票を渡され症状を書き提出。
これから2時間も待つのか……
と、周りを見回せば、たしかにたくさん患者さんがいます。
それなのに、10分くらいで受付から呼ばれました。
え……早い早すぎる……
一抹の不安がよぎります。
係の人「ろれつがまわらないんですか?」
私「はい、まわってないレス」
係の人「まわってますよ?」
私「!! いえ! こレ、私的には、ぜんっゼんまわってラいんでスっ!!」
夫「うん。普段、すごくはっきり喋る人なので……」
ということで、診察室へ通してもらえました。
診察室に入ると、医師に「座ってるより寝たほうが楽?」と聞かれたので、そりゃまあ、と素直に「はい」と答え、ベッドに横になって問診&診察。
そういえば「え! タクシーで自分で来たの?」と、医師に驚かれました。
(これ以降数日間、二度と起き上がらせてもらえませんでした)
一通りの問診を終えると「CT録りますから移動しますよ。ストレッチャーで運びますから寝たままでいいです」と言われました。
移動も寝たまま……?
てか、CT撮るの初めてなんだけど、こんな感じ(頭だけ撮ってる)なの?
またしても不安がよぎります。
そしてCTが終わって目をつぶってると、誰かが顔を覗き込んで、挨拶したのでした。
担当医「あんこさん。脳外科の○○です」
「脳外科」の医師からのご挨拶でした。
脳外科キタコレ!!
うっそ! 私が!? 低血圧なのに!?
まさか……脳腫瘍とか?
とにかくイメージ的に脳出血・脳梗塞というのは、高血圧の人や、血液ドロドロとか血管弱い人(高齢者)がなるイメージだったので、本当にこの瞬間まで、まったく、脳疾患という考えはまるで浮かびませんでした。
なんかよくわからないけど、わりと普通だし、脳卒中って、バタっていきなり倒れるイメージ。
え? 脳腫瘍かな? え? そのほうが怖いイメージあるけど。
どっちなのな……
というくらいわかっていませんでした。
そして私は、観念したのでした。
※一度目の出血や症状は、今思えば軽かった&いろいろな症状の原因など、まるでわかっていませんでした。
※血管腫ができる原因は不明です。出血原因も不明ですが、興奮などで一瞬、だれしも血圧が上がることがあり、そういうタイミングで出血することはあるようです。
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☆この記事は2010年代初出のものを身バレ防止のため時期をぼかしてリライトしています。
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